【親子で学ぶSDGs】ザックリ簡単わかりやすいSDGsの全容

近年、多くのメディアで取り上げられる「SDGs

地球保全のために親子で取り組みたい!
けれども、

「実はあまりSDGsってよくわからない」
「子どもと一緒にできることって、なんだろう?」

こう思われている方もいるのではないでしょうか。

SDGsは、世界をより良いものにしようと採択された、2030年までに達成したい17個の目標です。
さまざまな課題がありますが、達成するためには1人1人の当事者意識が不可欠になります。

子どもたちに素晴らしい地球を残し、限りある資源について伝えていくことは、これから消費の主役になる彼らにとって重要であることは言うまでもありません。

親子でSDGsに参加できるよう、わかりやすい&ざっくりしたSDGsの全容と、今どんな取り組みがあるのかを解説します。

SDGsとは環境・社会・経済の3方向から立てられた17個の目標

SDGsとは2030年までに達成するべき「持続可能な開発目標」のこと。
上記のように、環境・社会・経済の3方向から、17個の目標が盛り込まれています。

takamo-mo
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ちなみに、SDGsは「エス・ディー・ジーズ」と読みます。

これらの目標は、それぞれ独立しているわけではなく、相互的な関係にあります。

例えば、食品ロスを減らすことは、

  • 貧困や飢餓の撲滅(目標1・2)
  • ゴミとして焼却するのに必要なエネルギーの削減(目標7)
  • 漁獲量を減らす(目標14)

などに影響を与えます。

また、フェアトレードの商品を購入することは、

  • 市場の活性化(目標8)
  • 地元民の雇用の発展(目標1)

にもつながります。

このように、さまざまな問題の同時解決を目指すことができるのです。

しかし、

持続可能ってどういうこと?

この当たりで難しそうに感じませんか?
ざっくり言うと、「地球にも人にも優しい発展」というもの。

次で詳しくお伝えします。

「持続可能」とは地球にも人にもハッピーな状態であること

持続可能とは、

環境や人権をないがしろにしない、
資源やエネルギーを使い尽くすことなく、かつ弱い立場の人も取り残さない社会にしよう

という意図で発案されています。

サステナブル」「サステナビリティ」と最近よく耳にしますが、持続可能と同義語になり、自然環境と社会・労働問題に配慮した、という意味で使われます。

国連は、持続可能な開発について

  1. 経済活動を通して富や価値を生み出していくこと(経済成長)
  2. 子どもや障害者、高齢者、難民といった立場の人々も参加できる社会にすること(社会的包摂)
  3. 環境を守っていくこと(環境保全)

これら3つの要素すべてを大切にすることを求めています。
(出所元:国連広報センター 持続可能な開発より一部抜粋)

では、なぜ持続可能な社会が求められているのでしょうか?

それは、このままの消費量でいけば、地球の資源がなくなってしまうから。


今、人類が地球に与えている影響について、このような研究結果があります。
現在の人類社会は、地球の再生能力の1.75倍を消費している
(出所元:一般社団法人環境金融研究機構より一部抜粋 https://rief-jp.org/ct12/92283)

家計であれ会社経営であれ、収入や売上の1.75倍の支出をしていれば、いずれは破産・倒産していまいますよね。

地球の資源は言うまでもなく有限です。
全て使い尽くさないようにする。

それが持続可能ということです。

この視点で話題に上がりやすいのが化石燃料。

これまで主要なエネルギー源として、石炭や石油に大きく依存していました。
このままの消費量でいくと、50年後には石油も石炭も掘り尽くされると言われています。

つまり、持続可能ではない、ということになります。

今後は太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーで自給率を高めていかなければなりません。

また、持続可能な開発とはエネルギーに限った話ではありません。

安いコーヒー豆や安い衣服の裏側で、義務教育を受けるべき子どもが安い賃金や劣悪な環境で労働しているとなれば、それは持続可能とは言えません。

気候変動の取り組みや絶滅危惧種を守るために、森林伐採を制限しても、焼き畑などによって生計を立てている地元民の所得を奪うようなことになっては、それも持続可能とは言えません。

このように持続可能な開発とは、地球の環境を守った上で、周りの人々が生きるのに必要なニーズを満たし、幸せに生活できる経済活動のことを示しています。

資源を無駄なく使い続ける「サーキュラーエコノミー」

持続可能な開発を進めていくには、資源を捨てずに使い続けるシステムが必要です。

それが「サーキュラーエコノミー」。

今までの経済システムは、使わなくなったら捨てる、という一方通行の経済であり、いつかは資源が枯渇するような「持続不可能な」ものでした。

そうした課題を解決するための取り組みがサーキュラーエコノミーであり、捨てずに使い続けるという循環型の概念。

製品・素材・資源の価値を限りなく長く保ち、循環させ続けることで、自然環境壊さない、かつ経済を止めないことを目指しています。

国連によると、2050年には世界の人口は97億人になると推計されており、人口が増えればそれだけ必要な資源の量も増えるでしょう。
(出所元:国連広報センター 人口と開発より一部抜粋)

人口増加に伴い、これまでの使ったら捨てるという方法では、資源の枯渇を始め、気候危機やプラスチック汚染など、これまで以上にひずみが生じてきます。

限りある資源を使い尽くさないために、原材料を使い続ける持続可能なモデルとして、サーキュラーエコノミーが実践されています。

サーキュラーエコノミーを実践している企業の取り組み

RE.UNIQLO

不要になったユニクロ・ジーユーの全商品を店舗で回収。
衣料支援や燃料・防音材へのリサイクルなど、資源を有効活用し環境への負荷を減らす取り組みがされています。

セブン&アイグループ

使用済のペットボトルを回収し、ボトルtoボトルで100%再利用するリサイクルペットボトルの取り組みを行っています。
グループの店舗に回収機が設置されており、電子マネーの「nanaco」にもポイントが付与される仕組み。

ブリヂストン(タイヤメーカー)

「原材料使用量の削減」「資源の循環」「再生可能資源の拡充」という3つのアクションをもとに、タイヤの軽量化や耐久性の向上、再生ゴムの使用といった取り組みを行っています。

「誰一人取り残さない」は可能?

SDGsの重要な理念に、「誰一人として取り残さない」というフレーズがあります。

簡単に言えば、極度の貧困層にある世界の7億2900万人も含めて、生活する上で必要なことが満たされていない人が1人もいない世界にしていこうという意味。

先ほど、持続可能な開発について取り上げた例でも、森林伐採を取り止めたことでCO2削減や生物の多様性を豊かにする観点からはいいでしょう。

しかし、森林を切り崩し焼き畑で生活していた住民の生計が悪化することは、この理念に反しています。
焼き畑以外で、生計を立てる技術支援が必要になるでしょう。

また再生可能エネルギーの導入において、太陽光発電を設置することは、資材やエネルギーなどの新たな資源調達や森林伐採の必要性、使用済みパネルの廃棄問題などの課題を生みます。

さらには雇用問題にも発展するでしょう。

どんな持続可能な開発にするにせよ、そこには必ず雇用問題が生じます。
新たな開発を進めるということは、既存の開発にこれまで尽力していた人々の「生きがい」や「働きがい」を奪うことになりかねないから。

特に、農業や酪農業、漁業などの第一次産業の仕事をしてきた人たちにとっては、その土地が命です。
環境保全を切り札に、土地と繋がって生きてきた人たちから土地を奪うような方法だけでは、決して「誰一人取り残さない」は実現できません。

2021年9月、トヨタ自動車の豊田章男社長が、

カーボンニュートラルは雇用問題でもあるということを忘れてはいけない
「私たちが、必死になって『選択肢を広げよう』と動き続けているのは、自動車産業550万人の雇用、ひいては日本国民の仕事と命を背負っているからです」
(出所元:日本自動車工業会より一部抜粋)

と発言し、話題を呼びました。


カーボンニュートラル:排出されるCO2をできるだけ削減し、削減できなかったCO2を吸収または除去することで、差し引きゼロにする取り組み。
脱炭素社会の実現を目指しています。

「誰一人取り残さない」というのは、一方が良くて、一方がだめというトレードオフの関係になってはいけないという意味です。
しかし、このようなジレンマや矛盾を感じるのも事実。

多くの課題を残しています。

親子で取り組めるSDGs

こちらは、国連がわかりやすくまとめているアクションガイドの抜粋です。

レベル1:ソファに寝たままできること
・電気を節約しよう。電気機器を使ってない時は完全に電源を切ろう。
・女性の権利や気候変動についてSNS見つけたら、ネットワークの友達にシェアしよう。
・持続可能で環境にやさしい取り組みをしている企業から、製品を買うようにしよう。
・印刷はできるだけしない。ノートやメモで紙を節約すること!
レベル2:家にいてもできること
ドライヤーや乾燥機を使わずに、髪の毛や衣服を自然乾燥させよう。衣服を洗う場合には、洗濯機の容量をフルにして使おう!
・肉や魚を控えめに。
・生鮮品や残り物、食べ切れない時は早めに冷凍しよう。
・窓やドアの隙間をふさいでエネルギー効率を高めよう
レベル3:家の外でできること
買い物は地元で! 地域の企業を支援すれば、雇用が守られるし、長距離トラックの運転も必要なくなる。
「訳あり品」を買おう! 大きさや形、色が規格に「合わない」という理由だけで、捨てられてしまうような野菜や果物がたくさんあるよ。
・買い物にはマイバッグを持参しよう。
使わないものは寄付しよう。地元の慈善団体は、あなたが大事に使っていた衣服や本、家具に新しい命を吹き込んでくれるはず。
できれば、ソーラーパネルを家に取り付けよう

(出所元:国連広報センター 持続可能な社会のためにナマケモノにもできるアクションガイドから一部抜粋)
https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/24082/

なかには、

「髪の毛、自然乾燥とか無理…」
「ソーラーパネルつけよう、って…」

と、明らかに取り組みにくい内容もあります。
関心の持てそうなものや、これだったら子どもとできそうというアクションを探してみてください。

また国や組織、企業それぞれの財力やバックグラウンドによって取り組みが違うように、家庭においても、お財布事情や生活スタイルに合った取り組みがあると思います。

これはあくまで個人的な感想ですが、地球に優しい商品や食品(JASマークとか)は、他のそうでないものと比べ、やや割高な印象。

環境に優しいからと商品を購入して、家計を圧迫したり、生活に不便が出たりすれば、持続可能とは言えません。
そこそこの家庭において、持続可能な範疇は違うでしょう。

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自分や家庭のバランスに合った取り組みが大切です。
我が家は、購入するより無駄を出さないことに注力しています♪

目標達成できているものとできていないもの

2030年まで、あとわずかです。
2021年の達成状況をみると、多くの国がまだ「課題が多い」「達成にはほど遠い」という評価でした。
コロナにより、事態がより深刻になった国もあります。

そのなか、日本の達成度の順位は165カ国中18位(2021年)。
この数字をどう思われるでしょう?

日本が達成できているいるのは次の3つ。

  • 目標4 質の高い教育
  • 目標9 産業と技術革新
  • 目標16 平和と公正

「達成にはほど遠い」と評価されているのは、次の5つの分野になります。

目標5 ジェンダー平等を実現しよう
目標13 気候変動に具体的な取り組みを
目標14 海の豊かさを守ろう
目標15 陸の豊かさも守ろう
目標17 パートナーシップで目標を達成しよう

なかでも、以下の項目の取り組みが遅れていると評価を受けてます。

  • 相対的貧困(その国・地域の水準よりも、貧しい状態のこと。日本人の6人に1人が該当))
  • 男女間の賃金や家事時間の差
  • 女性の国会議員数
  • 再生可能エネルギーの割合
  • 相対的貧困と富裕層の経済的格差
  • 電子廃棄物の発生量が先進国の中でTOP3、世界平均の約2.8倍
  • 海洋プラスチックごみなどによる海洋汚染
  • 絶滅危惧種の生存指数の悪化

質の高い教育を受けている人がいる一方で、相対的貧困や経済的格差のなかで、教育を受けられず学力格差を生み、貧困の連鎖を断ち切れない状態が表されています。

これからの子どもが経済的ハンデを背負わない取り組みが急務でしょう。

まとめ まずは親子で話し合ってみよう

親子でSDGsに取り組むことは、子どもたちに地球の現状やどんな未来が望ましいのかを伝えていくことから始まります。

それは、これから地球を担っていくのは子供たちだから。

大人になったらどんな地球であってほしいのか。
まずは難しく考えずに、子どもと一緒になってワイワイ楽しくざっくばらんに話してください。

親子で地球の環境について話し合う関係性を作ることも、大事なSDGsの取り組みだと、私は思います。

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